私の会社では、セールス、マーケティングからテレワーク体制のバックヤードまで、いわゆるDXのサポートをさせていだいております。
多数のお問い合わせがいただいている中で、
という問い合わせも目立っております。
不動産関係というのはあくまでも一例ですが、要は特定の業界(多くの場合は自分の業界)についての経験を偏重しているのです。
- うちの業界は特殊だから、特殊な業界でも効果的な施策でないと意味がない
- うちの業界にはうちの業界のルールがあり、その前提や空気はわざわざ説明せずとも読んでおいてほしい
- うちの業界での実績じゃないと信用できない
というのが、見え隠れします。
まるで「うちの業界」がこの世のすべてのようですw
テクノロジーは常識や枠組みの破壊をする
正直こういったスタンスの依頼は、基本的にはすべてお断りするか、単発でアドバイスをして終わりにするようにしています。
なぜなら、「結果が出ない可能性が極めて高い」からです。
テクノロジーは、これまでの業界のルールや過去の成功事例を猛スピードで破壊しています。それを加速化させるかのようにコロナが襲来しました。
枠組みや常識を破壊していかなければならないのに、スタート地点から逆行するスタンスでは先行きが危ぶまれるところです。
という言葉がしばしば使われます。
例えば、GAFAのようなビッグテック企業、Tesla、Uber、AirBnBを見ただけでもそれがよく解ります。
さらに言うなら、コロナによって生活様式も変革しているので、なおさら常識や枠組みを拠り所にするのは危険と言うわけです。
デジタル化とはただの現状の置き換えではない
よくある勘違いですが、今までやってきたことをデジタルに置き換えればいいと考えている企業・経営者・担当者が非常に多いです。
あなたの会社にお客さんを連れてくることを目的としたホームページが必要になったとします。
このときに、普段対面の営業で持参しているパンフレットやサービス資料をPDFにしてアップロードして終了、でOKでしょうか?
そんなことはありませんよね。
例えば、
- お客さんが知りたい情報に直感的にアクセスできるような画面構成にする
- PCでもスマホでも難なくアクセスできる
- お客さんが知りたい情報がページ内に網羅されている
- サービスに興味があったら、お問い合わせや申込みがすぐに行える
と、思いつくだけでもこれだけの「+α」が生じるのです(このページにお客さんをアクセスさせることも必要です)。
このビフォアアフターによってはっきりするのは、
そして現在のビジネスは「デジタルによるレバレッジ」なくしては、持続することは不可能です。
成功事例をパクるならあらゆる業種に目を向ける
テクノロジーではない戦略の話もお伝えしておきましょう。
同業界の成功事例をパクった施策を行った場合、結果が出るか出ないかと言えば、「出ることもあれば出ないこともある」というのが答でしょう。
再現性があると言っても、結局は競合の施策になるわけで、競合がみんなして同じ施策をやったら効果は当然なくなります。
また、同じ業界の事例といっても、ポジションが同じわけではないですから、パクれないことも多いでしょう。
例えば、小規模の飲食店がマクドナルドの施策をパクろうとしても、「資本力の違い」によって現実的には手を出せないものも多くあるわけで、業界というフレームで見るのが絶対的ではないわけです。
行動心理学や脳科学や量子力学を学ぶ
Bezos氏は、今後10年間に何が変わると思うか、頻繁に尋ねられると述べた。しかし、今後10年間に何が変わらないかを問う方が、より重要な知見を得られる可能性が高いと言う。
私たちは歴史的にも稀な変化の激しい時代を生きているわけですが、(もちろん常識が覆ることもあることは頭に入れておく必要はあるとは思いますが)「時代が変わっても変化のないもの」にフォーカスすることがMUSTになります。
では「変化のないもの」とは何でしょうか?
その中の一つは、
と言えるでしょう。
「人はどんなときに行動に移るのか」を、行動心理学や脳科学、量子力学に至るまで深く理解することによって、時代の変化に流されることなく、ビジネスを有利に進めることができます。
行動心理学や脳科学、量子力学をビジネスにうまく応用していこうという発想自体がない企業ばかりだっったりしますが、その他大勢がやっていないことにこそチャンスが有ると言えます。
まとめ
というわけでこの記事もそろそろ終わりにしますが、忘れてはいけないことを一つ。
人間は「目に見える」「理解しやすい」「短期的に」「すぐに」結果の出せそうなものばかりに目が行きがちですが、まずはそういった思い込みや期待を捨てることがスタート地点なのではないでしょうか。